札幌市清田区のうすだ動物病院の診療対象動物は犬、猫、ウサギ、ハムスターです。

うすだ動物病院

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011-881-6996

症例紹介

 

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)

 

胆嚢内にゼラチン状の粘液が徐々に蓄積し、胆嚢全体に充満することで、閉塞性黄疸や胆嚢炎、胆嚢破裂などを引き起こす病気です。

シェルティやコッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザーで多いといわれています。

食欲不振や下痢、嘔吐、黄疸などの症状が現れることが多いですが、症状がなく健康診断の際に偶然見つかることもあります。

病院内の検査で肝酵素値の上昇などが認められ、腹部超音波検査で、胆汁の動きのない膨らんだ胆嚢が観察されます。

治療は手術で胆嚢を摘出することが一般的ですが、胆嚢破裂や腹膜炎、胆管の壊死などの合併症が認められる場合は手術が困難になることがあります。

写真は手術で摘出した胆嚢粘液嚢腫の胆嚢で、胆嚢の断面は黒いゼラチン状の粘液が充満していました。

健康診断で胆嚢の異常が見つかった場合、胆嚢粘液嚢腫に移行することもあり、注意深い定期健診が必要です。

胆嚢粘液嚢腫②胆嚢粘液嚢腫③

2019年3月20日更新

人工肛門

肛門からの排便が困難となった際に、消化管を体外に誘導して人工的に開放孔を作成する方法です。

目的は病変の治療や排便ができない苦痛を解消することです。

便を受ける装具は動物用がなく、人間用を用いるため、猫など小柄な症例は装具のサイズが大きすぎて装着できないこともあります。

写真は線維肉腫で骨盤腔内の腸がつぶされ排便困難となった猫に人工肛門を作成したものです。

線維肉腫で亡くなるまで排便の苦痛から解放されQOLの改善につながり、飼い主さんの満足度も高かったように感じます。この症例では装具は装着せず便は自由にポロリと落ちる形態をとりましたが、飼い主さんは不快に感じなかったようです。

人工肛門写真① 人工肛門写真②

2019年3月20日更新

串の誤食

 

犬の盗み食いはよく聞く話ですが、串付きの食べ物や、鶏の骨などを誤って食べてしまうと、消化管に刺さることがあるため、とても危険です。

一般的には、串状の異物を飲み込むと、食道や胃や腸といった消化管に串が刺さり、串が消化管を貫通すると、消化管の内容物が漏れ出て、重度の胸膜炎や腹膜炎を引き起こし、重篤な状態になります。

写真①は串付きの焼き鳥を食べてしまったワンちゃんの内視鏡(胃カメラ)の写真です。串異物①

胃の中から食道に串の先端が出ているのが確認されました。内視鏡の先に鉗子を通して串を取り出そうと試みましたが、

うまく取り出すことができなかったため、胃切開に切り替えて串を取り出しました(写真②)。串異物②

このワンちゃんは、幸いにも消化管に串が貫通していなかったため、胸・腹膜炎を起こしておらず、串を摘出するだけで、元気になりました。

また、飼い主さんの目の前で串付き焼き鳥を盗み食いしたので、すぐに手術をすることができましたが、一般的に串はX線検査では写らないので、発見が遅くなることがあります。

お留守番の時や目を離すときには、盗み食いにも十分注意してください。

 

2019年3月20日更新

ひも状異物

 

猫はひも状のおもちゃや梱包用のひもなどで遊ぶのを好む習性があります。

噛んで遊んでいるうちに飲み込み続けるせいで、ひもが胃から腸全体にかけてからみます。腸がアコーディオン状になり、ひもで腸が裂けたり、通過障害を起こし腸閉塞となったりします。

ひも状異物で閉塞を起こすと、食欲がなくなり、腹部を触られるのを嫌がり、嘔吐をすることが多くなります。また、粘血便がでたり、便の排泄が止まったりすることがあります。

時間とともに重篤な症状になり死に至るため、早期の診断と外科手術が必要です。

レントゲン検査や超音波検査などで腸の閉塞像があるかを調べますが、検査で異物自体を見つけ出すのが難しいこともあります。

写真は、飼い主さんの編み物用の毛糸を飲み込んで腸閉塞になってしまった猫ちゃんから取り出したひも状異物です。(毛糸は手術中に途中で切って取り出しています)

ひも状のものならうんちと一緒に出てくると思っている飼い主さんもいらっしゃいますが、とても危険なので、遊ぶときは飼い主さんが注意して目を離さないであげてください。ひも状異物

2019年3月20日更新